一般社団法人National Clinical Database(NCD) データベース事業について
学術研究へご協力のお願い
多くの関連する臨床学会が連携して2010 年に立ち上げました一般社団法人NationalClinicalDatabase(以下、NCD)では、我が国の医療の現状を把握するため、日本で行われている手術やインターベンション、剖検などの情報を登録するデータベース事業を行って参りました。これまでNCDでは、集められた手術成績などのデータを用いて、関連学会主導のもと、日本の医療の質を評価し、そのレベルの高さを世界に示して参りました。
一方、日本の医療を取り巻く環境は変化を続けています。経済、高齢化などに影響を受け、高額な医療資源の利用や地域医療における資源配分など、現場の臨床に影響を与えうる社会的な課題が多くあります。NCDでは、このような課題に対応すべく、東京大学医療品質評価学講座(講座長:宮田裕章)の委託のもと、保険請求データの収集を実施しています。NCDに登録されている臨床的な情報に、病院から提供される保険請求情報に含まれる薬剤や医療機器などの使用情報などを追加し、医療の質や資源の利用実態を評価できる基盤を構築することが目的で、NCDに参加する医療機関を受診されたすべての患者さんが対象となります。
日本の医療の質のますますの向上、そして患者さんへ最善の医療を提供し続けるための臨床現場の取り組みを、引き続き全力で支援して参りたいと存じます。何卒ご理解を頂き、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申しあげます。
1.本研究への参加について
NCD本体事業同様、研究への参加は、患者さんの自由な意思に基づくものであり、参加されたくない場合は、データ登録を拒否して頂くことができます。なお、登録を拒否されたことで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。
2.登録される情報の内容
本研究では、NCD本体事業で登録される日常の診療で行われた検査や治療の契機となった診断、手術などの各種治療やその方法などの情報に加え、氏名や住所などの情報を含まない保険請求に関わる情報を収集致します。この情報には治療に使用された薬剤や医療機器の情報などが含まれ、暗号化された状態で暗号化通信を用いてNCDへ提供されます。これらの情報はそれ自体で患者さん個人を特定することはできないものですが、登録される情報と同様に、厳重に管理致します。情報の取り扱いや管理にあたっては、関連する法令や取り決め(「個人情報の保護に関する法律」「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」など)を遵守致します。登録されたご自身のデータをご覧になりたい場合は、受診された施設にお問い合わせ下さい。
3.収集される情報の使われ方
収集された情報はNCD本体事業で登録された情報と連携して、参加施設の治療成績向上や参加施設ならびに各種臨床領域へのフィードバックに用いられます。また、医療資源の利用実態の把握や評価などの研究に用いられます。どちらの場合にも集計・分析をされた統計情報としてのみ報告され、患者さん個人を特定可能な形でデータが公表されることは一切ありません。NCD本体事業同様、情報の公開に当たってはNCD内の委員会、関連学会などで十分に話し合いを行い、承認を受けた情報のみが公開されます。