診療科・各部門のご案内

麻酔科

診療科紹介

 年間に1,000件以上の手術が行われている当院では、麻酔科がその8割近くの症例で全身麻酔を行い、手術中に患者様の状態を管理しています。
 当然ながら、麻酔の最大の目的は手術中の痛みを感じなくすることです。全身麻酔ではそれに加えて、各臓器にかかる負担も軽くすると同時に、緊張や不安といった精神的ストレスを取り除くことも重要な目的としています。
 患者様の心身に余計な負担が生じなければ、呼吸や循環など全身の状態も安定しやすく、手術が円滑に進められるという利点もあります。当科では患者様一人一人に適した麻酔法や薬剤を選択して、医学的な安全性を確保するのはもちろんのこと、手術後もできるだけ快適に過ごしていただけるよう、つねに細心の注意を払っています。
 患者様やご家族のなかには、全身麻酔そのものに対して心配される方もいらっしゃることでしょう。ご不明な点、ご不安なことなどがありましたら、担当医や看護師にお気軽にお尋ねください。

医師紹介

 
医師名 丘 恵康
役職 常勤医師
プロフィール 1991年横浜市立大学医学部卒
2005年4月より当院勤務
専門分野/
得意とする診療・治療
臨床麻酔一般

麻酔科Q&A

Q1 麻酔から覚めるのはいつ?
A   手術が終了してから、およそ10分以内に言葉やりとりが正常にできるようになるのが普通です。
   しかし、眠気は1、2時間ほど続くかもしれません。
 
Q2 麻酔から覚めるとすぐに痛くなるの?
A   手術中に使う鎮痛薬の効果がしばらく続くため、直後にひどい痛みが出てくることはまれです。
   病室に戻ってから痛みが出始めましたら、すぐに看護師にお知らせくだい。
   準備してある痛み止めの薬をお持ちします。
 
Q3 お酒をたくさん飲む人は麻酔が効きにくいって本当?
A   麻酔の効果と飲酒量は、基本的に無関係です。
   ただし、飲み過ぎで肝臓が弱っている人では、逆に効き過ぎるということがあるかもしれません。
 
Q4 消化管内視鏡(胃カメラ)のときに使う薬とは違うの?
A   内視鏡検査での鎮静薬と違って、全身麻酔では意識と感覚を完全になくす強い薬を使います。
 
Q5 局所麻酔(部分麻酔)では手術できないの?
A   とても小さな傷で済み、短時間で終わる手術なら局所麻酔で十分です。逆に、骨に達するような深い傷になる手術
   や、小さな傷でも長時間になりそうな手術の場合は、全身麻酔が心身ともに安楽でしょう。
 
Q6 下半身の手術は腰椎麻酔(脊椎麻酔)ではできないの?
A   腰に注射を打つ腰椎麻酔では①効果が不確かで持続時間に限りがある、②手術中の音や振動で不安になりやすい、
   ③手術後もしばらく足に力が入らない、④しばらくは自身での排尿が困難になる、⑤一時的な神経障害が残る可能
   性がある、などの欠点があります。当院で行う手術に限っては、医学的な長所はほとんどありません。
 
Q7 口や気管に器具を入れるの?
A   手術中に呼吸を補助するためには、何らかの器具をのどのあたりまで入れることが普通です。
   当院では大部分の症例で、気管まで届かないラリンジアルマスクという器具を使っています。
   意識が無くなってから入れて、感覚が完全に戻る前に抜きますので、患者さん自身は気がつきません。
   口の中が敏感な人にも安心していただけます。
 
Q8 手術のときは尿道に管(カテーテル)を入れるの?
A   多くの手術で管は不要です。しかし、①手術の後に自分ではうまく排尿できなくなる、②手術中と手術後に尿量を
   計測する必要がある、③長時間の手術で膀胱がいっぱいになる可能性がある、といった症例では全身麻酔を行って
   から管を入れます。手術内容や手術前の状態によって対応が変わりますので、ご心配な方は担当医にご相談くださ
   い。
 
Q9 麻酔をかけるとボケてしまうことがあるの?
A   とくにご高齢の患者さんでは、手術の後に理解力が失われ、異常な言動が見られることがあります。
   これは入院や手術、その後のベッド上生活といった一連の非日常的な体験によって起こる現象で、麻酔が直接の原
   因となるものではありません。多くの場合は数日で元に戻ります。